デザインシンキング、デザイン思考
デザインシンキング、デザイン思考を最近よく耳にします。まあ感性の高い人たちにとっては今さら!?というはなしなのですが、私の周りは非常に感性の低い組織なので、、、。
さて、では、デザインシンキングとは、何ですか?
突っ込んで聞かれるとドキッとしてしまう質問のひとつです。何やら正体がつかみにくいモノです。
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スイカの場合
スイカって何?と聞かれたら、
『スイカは人の頭より少し大きいぐらいの大きさで、緑と黒のしま模様の固い皮で覆われていて、中の赤い果肉を食べると甘い果物です。』という説明でまぁだいたいスッキリします。要するに、スイカは果物(の一種)ということになります。(野菜でしたっけ、、。)
ところが、デザインシンキング、デザイン思考となると、ググってみてもなかなかこれだ!という説明に出会えません。と、少なくとも私は思っています。
デザイン+シンキング??
そもそも、違和感があるのが"デザインシンキング"ということば。design thinking。うーん。。。分からん。
ロジカルシンキングは、英語でlogical thinking。直訳すると"論理的な思考"となり、思考法の1つであると言えそうですし、実際にその理解で良いでしょう。
対して、デザインシンキングってなると、design thinking 。designは動詞か名詞、thinkingはこの場合、"考え、思考"という意味の名詞と捉えるのが自然です。で、デザインという言葉を少し補足して、デザインにおける思考法。とかデザインにおけるマインドセット。と説明するようにしています。
そう考えると、『デザインシンキングやります』という表現は誤りですね。デザインシンキングでやります、とかデザインシンキングを取り入れますが正しい表現だと思うのです。
デザインって?
そもそも、デザインということばが日本では限定的な意味で捉えられることが、デザインシンキングって何だ?となる原因のひとつのように思えます。
デザインシンキングというのは、デザインにおける思考法(というよりマインドセット)と言いたくてつけた名称なのですが、日本ではデザイン=アート、に近い理解なので、ここでまたつまづくわけです。図案や外観に限らず、何かを設計することが本来のデザインの意味のはずですよね。
必須ではないもの
誤解を恐れずに言うと、以下のことは、デザイン思考、デザインシンキングとして必須ではありません。
・ポストイットを使う
・メンバーが一堂に会してワーッとディスカッションする
・ラフな服装で取り組む
これらは、デザインシンキングの本質ではありません。デザインシンキングをデザインシンキングたらしめている核となるモノではありません。
デザインシンキングは万能ではない
デザインシンキングは、『問題解決のアプローチのひとつ』です(と、私は自分なりに定義することにした)。特徴として、問題の起こっている現場や人に対して深く理解する(共感)ところから始めること、が挙げられます。
問題と、その問題で困っている人を深く理解し、本当に解決すべき問題をあぶり出し、簡単なプロトタイプで小さく仮設検証と学習、新たな気づきを繰り返して進めます。
そうすることで、本当に解決すべき問題を、当事者にとって好ましいやり方で解決することを目指します。
しかし、ビジネス要素には全く言及していません。
なので、デザインシンキングで導き出したアイデアが、ビジネスとして儲かるモノになる(=マネタイズできる)か、は別です。ココをわかっていない人が多いです。
ここを分からないままに、デザインシンキングに過剰な期待を抱き、新しいビジネス企画に中途半端に取り入れようとして失敗する、というケースを見かけます。
社内の問題を解決する上ではデザインシンキングはそれ単独でも有効です。しかし、新しい製品やサービスとして儲かるものを考える場合には、デザインシンキングだけでは不足しています。どこでお金を得るか、いくら支払ってもらえそうなのか、そのとき収支バランスはプラスなのか、、、。ビジネスとして成立させるために必要な要素は他にもたくさんありますが、デザインシンキングはそこはカバーしていないのです。決してデザインシンキングがダメということでは無くて、新しいビジネスを創出するときにデザインシンキングだけでは足りない部分があるんだ、ということを知っておく必要がある、ということです。
なんかとりとめのない文章になってしまいましたが、このぐらいにしておきます。