Scrum Inc. 認定スクラムマスター研修というものを受講してきました。さらに、そのあと受験できる試験に合格して、認定スクラムマスターとなることができました。
動機としては、独学オンリーのなんちゃってアジャイルなままではなく、きっちりと理解したものを社内外に導入したかったからです。
2023/08/04 追記: スクラムガイドも新しくなっているし、当時の僕の理解レベルで書いたものなので、ちょっと違うかな、って記述もあります。
認定スクラムマスター
スクラムマスターの認定資格には、Certified Scrum Master(CSM)というものと、Licensed Scrum Master(LSM)があります。他にもあるかも知れません。CSMのほうが昔からあるようで、日本ではスクラムマスター資格というと、こちらの方が多いようです。これからはLSMが多くなりそうですが。
LSMは、スクラムの創案者のひとりであるJeff Sutherland博士により設立されておりScrum Inc.という会社が提供しています。
スクラム
用語説明や詳細はたくさんサイトがあるので、簡単に自分のリマインドとして書いておく。
スクラムチーム
プロダクトオーナー(PO)、スクラムマスター(SM)、チームメンバーで構成する。
スクラムチームにとって大事なことは、自己組織化と機能横断的である、ということ。
自己組織化
チームが誰かに管理されているのではなく、自らを管理できていること。進捗や課題の管理、プロセス改善などの活動を自分たちで適切に行えていること。
スクラムマスターは、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーのように管理をするのではなく、チームメンバーが自分たちで管理できるように促す。
機能横断的
スクラムチーム外の誰かに頼らずにバックログをDONEにできるチームであること。また、チーム内での役割も完全な縦割り専任主義ではなく、T字型に役割を担えることが理想(コーディング担当、テスト担当とか専任にしない)。
これは、現実はなかなか難しいなーと感じました。やっぱりコーディング出来ない人はホントにできない(やろうともしない)ので。。
ただ、機能横断的であることが理想的なことは理解、共感できる。
プロダクトオーナー
プロダクトの仕様決定者。複数人いないほうがよい。どうつくるか、ではなく『何が欲しいか』をプロダクトバックログとして定義する。
自社プロダクトではない受託開発の場合、顧客側の人間がプロダクトオーナーになるか、もしくは顧客側の要求を深く理解しているメンバーが担当する。スクラムマスターとの兼任は避ける。
スクラムマスター
スクラムがうまく機能するように支援する役割。スクラムについては一番詳しく、プロダクトオーナーやチームメンバーをコーチする(開発そのもののコーチではなく、スクラムのコーチ)。
スクラムマスターはメンバーを兼任しても良い。
プロセス
スクラムでは、スプリントいう単位で価値創造をくり返しながら漸進的に開発を進める。各スプリントの期間(長さ)は固定化する。最長でも一カ月。チームによっては、半日スプリントという短さでやっているところもあるらしい。
スクラムでは、さまざまな活動にタイムボックスという概念で制限時間を設定している。
スクラムイベント(活動)
スクラムにはいくつかのイベント、活動が定義されている。さらに、それぞれについてタイムボックスが決められている
- スプリントプランニングでは、そのスプリントで実現するバックログをピックアップする。選択したプロダクトバックログアイテムと、それらを届ける計画を合わせてスプリントバックログという。
- デイリースクラムは、前日の作業、本日の作業の確認を行う。抱えている課題や、乗り越えた課題なども共有する。毎日同じ時間と場所で行い、リズムをつくることが大事。
- スプリントレトロスペクティヴ(振り返り)では、改善案を出し合い、次のスプリントで実施する案を決める。さらにそれをスプリントバックログに加える
- プロダクトバックログリファインメントとは、スクラムガイドに以下のように定義されている。
プロダクトバックログに含まれるアイテムに対して、詳細の追加、見積り、並び替えをすることを、プロダクトバックログのリファインメントと呼ぶ。これはプロダクトオーナーと開発チームが協力して行う継続的なプロセスである。プロダクトバックログのリファインメントによって、アイテムのレビューと改訂が行われる。いつどのようにリファインメントをするかは、スクラムチームが決定する。リファインメントは、開発チームの作業の 10%以下にすることが多い。
タイムボックス早見表
スクラムガイドでは、タイムボックスは一カ月をベースに記載されている。そこから計算して、1週間の場合、2週間の場合も含めて一覧表にしたものがこちら。ここに書かれている時間は、「使って良い時間の最大値」であることに注意すること。かならずタイムボックスいっぱいまで使わないといけないわけではない。目的が達成できたらすぐ終わっても良い。逆に、タイムボックス内に収まらないときは、なぜ収まらないのかを分析しカイゼンしていくことになる。
スプリント期間ごとの早見表
イベント | 配分 | 1週間 | 2週間 | 4週間 |
---|---|---|---|---|
デイリー | 15分 | 15分 | 15分 | 15分 |
プランニング | 5% | 2時間 | 4時間 |
8時間 |
レビュー | 2.5% | 1時間 | 2時間 | 4時間 |
レトロスペクティブ | 1.875% | 1時間 | 1.5時間 | 3時間 |
リファインメント | 10% | 4時間 | 8時間 | 16時間 |