元茹でガエルなエンジニアの記録

ちょっとやってみたことや考えたことなどを不定期に書き残していきます

Appleの凄さとカスタマージャーニー

Appleって、スゴイということを、最近になって思い知っています。Appleというより、ジョブズなのかも知れませんが。

 

最近、仕事の関係でビジネスモデルとか顧客体験とか、マーケティングとか勉強しています。すると、Appleのやり方がiPodiPhoneというモノ売りメインでありながら、モノの機能だけでなく、ユーザの購買プロセスまでをカバーした体験設計がなされていることに気付かされました。

 

どういうことか、iPodを例に説明します。

まず、新商品発表のプレゼンです。ジョブズの動画を見たことがある方もいると思いますが、「1000曲をポケットに」というアレです。で、実際にモノを買う場所は、Appleストアもしくは家電量販店のAppleコーナーになります。

 

日本の家電機器メーカーで、統一されたコンセプトで専用コーナーやストアを構えているメーカーなんて見たことがありません。(もちろん、それにも良い面と悪い面があるので、必ずしも正しいやり方とは言えないでしょうが)

売るモノを作って、あとはお店にお願い、ではなく、売り方まで口出しをするわけです。

 

つまり、製品を使うシーンだけではなく、製品を知り、興味を持ち、店に見に行き、手に取り、買う、という顧客体験すべてをプロデュースしていると言えます。

 

もちろん、実際に製品を使う体験も、綿密に設計されています。

1000曲をポケットにのコンセプトはもちろんのこと、大量の曲をiTunesからiPodに取り込むのに時間がかからないように、だとか、移動中の音飛びをガードする機能だとか、データ転送しながら充電できるケーブルだとか。

 

Appleは、製品を購入した(する)顧客とのタッチポイント全てを他人任せにしない、妥協しない、と言えるのではないでしょうか。ジョブズ亡き今は知りませんが。。。

 

もちろん、日本のメーカーだってCMにこだわったり、売り場のいいスペースを取ろうと頑張ったりはしていますが、それぞれがバラバラでやっている印象を受けます。

ユーザが商品のことを知り、購入して持ち帰り、箱を開けるときのことまでも含めて一連の流れとして捉えている、とは感じられません。

 

Apple製品は決して安くありません。ですが一定のファンがいます。

彼らは製品単体というより、全体としての顧客体験のファンなのではないでしょうか。

 

追記

新しいサービスや商品を検討するために、現在のユーザの活動をカスタマージャーニーマップに書きおこすことがあります。つまり、BEFOREの状態の可視化です。でも、アイデア導入後(AFTER)に全体のカスタマージャーニーがどうなるか、新しいサービスを導入することでどこかに歪みが生じていないか、を考えることも重要だと思います。